痛みの原因

 

痛みの始まり

 痛みの原因について考えてみましょう。

 1.作業や運動など原因が明らかな場合、例えば。ダッシュしながら急に方向を変えたり、止まったりした時、重いものを不自然な体勢で持ち上げた時に激痛が走るなど、その動作が原因で痛みが発生する場合。

 2.以前はPCやスマホ等長時間使わなかったが、仕事や日常生活で画面と向かいあう時間が増えて姿勢が悪くなり、気が付けば、猫背となり、首は身体よりも前に出た状態となった。若い頃は腕を上にあげることが何の問題もなかったけれども、最近はある位置までくると挙がらなくなくなっており、無理に挙げると痛みを感じることもある。このような場合一つの可能性として、肩の関節が姿勢の変化によってスムーズに動けなくなったこと、また、長い年月を経て身体が固くなり、関節を形成している筋膜自体が固くなり、腕を挙上した際に関節内の骨どうしがぶつかることで痛みを引き起こすことが考えられます。

 3.長年のスポーツや仕事、姿勢を崩すような日常生活を送っていた。経年的な負荷が重なりある時、膝・肩・腰等に痛みが発生した。強い痛みや症状はある程度おさまったものの、痛みがとり切れない状態となり関節の動きも悪く、慢性痛として残っている。

炎症について

 様々なことをきっかけに痛みは発生しますが、とにかく最初は痛いですよね!なぜ痛みを人間は感じるのでしょうか?

 痛みが発生した時に当然、身体の一部が壊れています。壊れた箇所を修復するために、体は新しい血管を生やし傷を治そうとします。その際に怪我した場所を動かしてしまうと新しい血管はちぎれ、傷の回復は遅くなります。その為に身体は特定の物質(炎症物質)を体内に発生させ痛みを感じさせることで患部を動かさないように働きかけているのです。炎症がおこると患部は痛み赤く腫れたり、熱を持ったり、内出血をおこしたりします。

 整骨、整体と言われる分野の多くではこの炎症が発生している時期には、患部に直接施術を行わないことがほとんどです。なぜなら、生えてきた新しい組織を破壊してしまい治癒をリセットし遅らせてしまうからです! 

 当院ではこのような場合、患部を直接ではなく患部周辺に対してアプローチすることは行います。(例えばぎっくり腰になったら、その近辺の肋骨付近を緩めてあげるなど、、、)

痛みの慢性化について

 では、上記の炎症がおさまれば痛みは消えるのではないか?と思われますよね!もちろんそのような場合もあります。しかしながらそうではない場合もあるのです。

 体内で起きた傷の修復過程で発生する物質があるのですが、それは、かさぶたを作る時と同じ物質で、壊れた箇所をなおしていきます。その時に骨と筋膜、筋膜同士、筋膜と腱などをくっつけてしまうのことがあるのです。 本来、ある程度前記した筋膜たちはお互いがひっぱり合わずに「滑る(すべる)」状態で身体をスムーズに動かしています。しかし、修復過程でくっついてしまった状態(癒着)がおこると滑らかさは失われてしまい、それが肩、膝、腰などの関節周辺で発生すると、該当する場所は、動けない状態になってしまうのです。この動けない状態に陥ると、筋膜は厚みを増して硬くなってしまいます。この状態になるとさらに滑りはわるくなり、体液の循環をさまたげることで、発痛物質をとどめてしまい、慢性痛を引き起こしてしまう1つの原因と考えられています。

さらなる痛みへ

 身体の一か所が癒着により動きを失うと、次に起こるのは、動ける部分が動けない部分の代わりに補ってに動く代償動作です。 わかりやすい例をあげるならば、立った状態で腰に手を当てて上体を後ろに反らしてみます。十人十色ですが、1 首からおしりまできれいなカーブを描く人、2 腰の上部から首までは直線でカーブがなく腰だけで曲がっている人、3 首~腰はまがりにくく膝を曲げてバランスをとる人など様々です。

 2について考えるならば、カーブを描けない首~腰の上部で分担すべき負荷を腰が代償することになり、働き者である動ける部分は(この場合腰)過労状態となり、最終的には炎症を起こしてしまうことがあるのです。

 また、癒着によって周辺にある血管や神経が圧迫されることで肩痛・腰痛などの慢性化やしびれをひきおこすこともあります。例えば、整形外科での診断が腰椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などと言われたとしても、実はそれ以外にも腰の骨付近(腰椎付近)の筋肉や筋膜の癒着が原因となり、周辺の神経を圧迫することで痛みが起きていることもあるのです。

六層連動操法(整体・施術)では

 今まで記してきました。痛みの原因となる癒着は、身体の表層にあれば、表面をさすったり、伸ばしたり、揉んだりで改善することもありますが、もし、癒着が体の深層で起こり滑らかさが失われている場合には、改善は難しくなってきます。

 六層連動操法では、表面の筋膜を伸ばすことも行いますが、骨格をテコの様に利用して、より深くにある癒着をはがし、「滑らかさ」を取り戻すことを行います。よく、痛む場所の筋肉が固くこわばっていることがありますが、癒着をはがした後は、こわばりが解けて、身体を動かした時のつっぱり感がなくなった状態に戻ります。